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ただの日記

現在時刻14:40、1日もやっと折り返しといった時間だが、すでに散々な日だった。
睡眠薬を飲まないと眠れないというロクでもない身体になって早数ヶ月、手元の薬が切れている事には気がついていた。処方箋を受け取りに、近所のクリニックへ駆けたのが12:00過ぎである。
診察、と言ってもあまりに形式的なもので、お決まりの会話が二、三言あって終わる。かかる時間は一分を満たすかどうかといった具合だ。
診察待ちをして、診察室に入って、処方箋、薬局、と考えても出勤の15:00までには余裕があった。ギターショップにでも行って、可愛いピックを買おうと思っていた。職場で練習がしたくて、ベースも背負って行った。ここで使われる「思っていた」とはつまり、その目的が果たされなかったことを意味している。
いつもの待合室は、人で溢れかえっていた。ざっと10人弱は居たように思う。こうなってしまえば、精神科の待ち時間は異様に長い。「午前診 13時迄」の貼り紙が嘘のように思えてくる。
多少待つ覚悟はしていたので、小説を開く。読み終わる。LINEを返す。ディスコードにざっと目を通す。昔読んでいた音楽レビューサイトの検索窓に「ベース」なんかを打ち込んでみて、気になった記事を読み漁る。ここまで実に二時間である。
さすがに痺れを切らし、「仕事があるので」とクリニックを後にした。あまりにも、無益な、二時間だった。
外に出ると、梅雨とは思えない灼熱の日差しが照りつけていた。焼きつける、という表現の方が正しいかもしれない。立ちこめる湿気と、オフィス街特有の慌ただしさと鬱々しさが何もかもないまぜになった六月の京都駅は、生き地獄といって差し支えなかった。
そこからが更に酷かった。バスの来る時間を調べ、ああ間に合うなと思っていたら大通りを一本間違えていた。走ったら間に合ったのかもしれないが、ベースを背負っていたため断腸の思いで諦めた。バスはもう10分先まで見送られた。本来向かうべきだったバス停が見えた頃には、今にも乗る予定だったバスが発たんとしている頃だった。
待つ時間も不毛なので、近くのコンビニに寄った。ダイエット中だと言うのにペプシが飲みたくて、でもコカコーラしかなくて、気が狂って『ウィルキンソン ゼロコーラ』なる透明の炭酸飲料を買った。気泡を散らしながらそれを口にすると、まあ不味くて、自分の馬鹿みたいに浮かれきった三つ編みが酷く阿保らしく感じた。

↑ここまでが現在です。そして今、河原町OPAの上まで来て、島村楽器が潰れていたことを思い出し、途方に暮れている。こんな事ってないよ。タワレコで慰めのCDでも買ってやろうと考えている、午後3時過ぎ。