246

走り書き

眠っているうちに首を絞めてくれと

うつろに呟く芥川

 

捨てさせて

 

ぐらり

眼窩を襲う目眩

(3秒)

 

赤い光に照らされる横顔

夕陽だって、サイレンだって

なんだっていいよ 美しかった

 

僕のこと救おうとする人が嫌いだ

なんで僕のこと救えると思っちゃったの

手を離したのは僕でした。

いつだって間違っていたのは僕だった。

 

作り上げたら壊したい

すべてを捨てた破壊の美学

後ろ盾なんて一個もないから

差す後光が眩しいのだと

 

沈黙

(10秒)

 

名前も住所も失くした夜

雨が降って、霧がたちこめる

淡く滲んだ東京タワーが

いつまでも忘れられないままで